Chapter3:Cold War


3000年前のサイバートロン星……廃墟と化した星の中で、ショックウェーブは一人戦っていた。迫りくるシャークトロン*1の群れ。エネルギー切れ寸前にまで追い詰められたショックウェーブを救ったのは、スカージだった。容赦も躊躇もない最高効率を誇る殺戮機械。そして現在……ショックウェーブのラボにはひとりの巨大なトランスフォーマーの姿があった。彼を目覚めさせようとする試みはいずれも失敗していた。しかしショックウェーブは諦めてはいなかった。それはかつてサイバートロン星を救い、伝説となったトランスフォーマー――アルファ・トライオン*2だった……
一方、地球に残ったジャズは行方不明になったスカージを捜索していた。スカージどころかポッドすら見つからない現状に苛立つジャズに、恐らく機能停止してしまっただろうというホイルジャック。だがそんな彼らを監視している人間がいた。そしてスカージは、人間たちに回収され調査を受けていた……*3
サイバートロン星では、ダイノボット部隊の乗ったシャトル不毛地帯に不時着していた。当然ショックウェーブもこれを感知していたが、シャトルを見守るもうひとつのグループがあった。そのリーダーは、赤いボディにファイアーパターンのペイントを施したオートボットだった……*4
ショックウェーブはオクタン*5シャトルを調査させる一方、ランブルとフレンジーに命じて、イプシロン地区にある拘留バンクにデータディスクを届けさせる。その彼らと入れ違いにショックウェーブを訪れたウルトラマグナスは、なぜプライムを機能停止しなければならないのかと問い詰める。
そのころ一般放送で、地球でのオートボットたちの破壊の様子が放映されていた。*6牢獄に閉じ込められたままそれを見たプライムは自責の念に囚われる。人間が自分達を脅威に思うのも当然だ、我々は怪物に等しいのだからと……そんな司令官を慰めるアイアンハイド。
不毛地帯ではオクタンがダイノボット部隊を発見していた。しかしオクタンはスラッグに首を引きちぎられてしまう。*7
拘留バンクにたどりついたランブルとフレンジーはさっそくディスクをスロットに挿入する。ここにはスタンティコン*8やコンバッティコン*9が拘留されていた。しかしとっとと帰ろうとするふたりの前にスタースクリームが現れ、銃を向ける。*10
アイアコンの最高評議会では、マグナスとパーセプターが議員達を相手に戦っていた。サイバートロン星に関する調査データを示し、徹底的な調査が必要だとするパーセプターを、議員達は予算がないの一言で一蹴する。*11あくまでもショックウェーブを指導者として戴こうとする評議員に対し、マグナスはその代償として自由を奪われていると痛烈に批判する。*12だが議論はスタンティコン脱走の報によって中断、マグナス以下のダイオン警備隊はスタンティコンを取り押さえるため出動していく。
処刑用の溶解プールを再開し、その効果を自らの目で確認するショックウェーブ。だが突如アイアコンを激しい振動が襲う。その振動はプライムたちが閉じ込められた地下の牢獄にまで届いていた。そこにブロードサイドとサンドストームが現れ、レーザー格子を解除しオートボットたちを連れ出す。ブロードサイドがオートボットたちを引き連れ、サンドストームはプライムだけを別ルートに案内した。上で何が起きているのかと問うプライムに、彼は応える――「ダイノボットが市街観光の真っ最中なんでね。」*13
奴隷逃亡に使われた古いトンネル*14を行くプライムとサンドストーム。だがトンネルを見張っていたラナバウト*15にサンドストームが撃たれてしまう。しかしラナバウトもまた突如現れた怪物に襲われて倒れ、プライムも迫る怪物を前に機能停止に陥ってしまう……*16


では次は明日ー。

*1:なぜ彼らがサイバートロン星にいたのかは不明。

*2:=アルファートリン

*3:スカージを改修したのがどの国の誰なのか、明記はされていない。しかし研究者と上官の会話から察するに、おそらく#1で登場したアメリカ軍開発局だろう。研究者はスカージをさして、「あの実験体は他とは違う」と言っているが、これは彼らがかつて研究したことのあるディセプティコンとはかなり異なった構造をもつという意味だろうから、自然とその結論が導き出される。ラザラス計画は終わってなどいなかったわけだ。このあたりは次回への伏線。

*4:言わなくてもわかると思いますが、あえて伏せますw

*5:=オクトーン

*6:これはショックウェーブがこっそり撮影していたもの。この一件を見ても、彼がかなり早い段階から地球のトランスフォーマーに関心を抱いていたことが覗える。

*7:このシーンではスラッグが微妙な心情を見せている。スラッグとオクタンは知り合いだったのだろうか? それにしてはオクタンは態度がでかかったが。

*8:スタントロン

*9:コンバットロン

*10:この後起こるスタンティコンの脱走劇は、ショックウェーブが仕込んだ自作劇と見るのが妥当だろう。カセットロンには地球のデータが入っているなどと適当なことを言っているが、そんなデータディスクをわざわざ拘留バンクに持っていく意味があるとは思えないからである。あるいは、地球のデータというのは地球におけるオートボットディセプティコンの戦闘のデータで、スタンティコンの戦闘意欲を煽る意味があったのかもしれない。一方、スタースクリームがここに現れたのはサウンドウェーブの連絡を受けてのことと思われるが、その目的はカセットロンふたりを配下におさめることと、もうひとつ拘留囚のなかから使えそうなものを選抜して配下にするためだったと思われる。なお、ここでカセットロンがスタンティコンの脱走を知っていたと取れる発言をしているが、本当に知っていたかは疑問。単に不安だったから口にしただけのような気もする。

*11:どこでも同じですね……

*12:ここではインフェルノだけがマグナスに賛成している。彼もショックウェーブに対しては相当頭に血が上っていたようだ。

*13:もちろん、焔と破壊とその他もろもろつきフルコース。派手な観光であるw

*14:かつてトランスフォーマーたちは、彼らを生み出したクインテッサ星人に奴隷として使われていた。このトンネルはその名残なのだろう。またシャークトロンが登場したことや、最終話におけるショックウェーブの科白をあわせて考えると、このあたりも伏線になっていると思われる。

*15:=ルナボート……と巻末の解説には書いてありますが、日本版でもラナバウト?

*16:ここで登場した怪物はシャークトロンのノー。自己紹介は次回に回される。しかし怪物を見ただけで気絶してしまうプライムって一体……まああえて解釈すれば、エネルギーをずっと補給されていなかったせいでステイシス・ロック(エネルギーがなくなりかけたときにトランスフォーマーが行う一種の自発的気絶。消費エネルギーを最小限に抑え、次のエネルギー補給まで生き延びるために行われる)を起こしたと考えるのが妥当でしょうけれど。