Chapter4:Passive Aggression


拘留バンクを脱獄し、破壊の限りを尽くすメナゾール。オムニボットを一掃し、ディフェンサー*1すら退ける破壊の権化を止めに、ウルトラマグナス率いるダイオン警備隊が駆けつける。マグナスはメナゾールを構成するスタンティコン一人一人を挑発し、統合体としての機能を狂わせ、彼らの間でせめぎあいを引き起こして弱体化させ、見事メナゾールを撃破する。しかし戦いの最中にも、彼の思いはプライムへと向かっていた。そして大きすぎる犠牲と惨状を前に、終わりのときは近いという思いを抱く。そしてマグナスは部下に事態の収拾を命じると、ショックウェーブに会いにアイアコンへ戻る。*2
アイアコンではダイノボット部隊の「観光」が続いていた。グリムロックは部下に攻撃を続けるよう指示すると、ひとりショックウェーブを討つため出撃する。首尾よくショックウェーブを見つけたグリムロックショックウェーブに斬りかかるが、それをブリッツウィングが阻む。*3しかし外で戦っていたダイノボットたちは、突如現れた巨大トランスフォーマーによって次々と打ち倒されてしまう。そしてグリムロックも、駆けつけたマグナスの射撃によって倒されてしまうのだった。*4
ブロードサイドに救出されたオートボットたちはリニアカーで移動していた。*5途中でスモークスクリーンと落ち合うが*6スモークスクリーンはプロールだけを連れて別行動を取ろうとする。それに反発し、自らも一緒に行くと言い張るアイアンハイド。*7
スモークスクリーンと共に放射性廃棄物のトンネルを行くプロールとアイアンハイド……。道すがら、何が起こるのかと問うプロールに、スモークスクリーンは応える。「革命と言えばわかりがいいかな。」そしてトンネル内部に派手にペイントされたオートボットのシンボルを示す。彼とは違うグループの、若くて怖いもの知らずのレジスタンスたちが活動していて、そのおかげで目を覚ますことができたのだと。*8
一方プライムは、見知らぬ場所で目を覚ましていた。その目の前に、突然あの怪物が現れる。思わずこれを殴り倒すプライム。居合わせたブラーとウィーリーがプライムを止めようとするが、逆に取り押さえられてしまう。*9「大人を敬えと教わらなかったのか?」そういうプライムに獣を突きつけたのは、レジスタンスのリーダー、ホットロッド*10だった。怪物――シャークトロンのノーはウィーリーの親友であり、プライムを救った恩人だと言うホットロッド。謝るプライムを問い詰めようとするホットロッドだが、駆けつけたカップ*11に彼こそオプティマス・プライムだと教えられ、あわてて銃を下ろす。*12
カップの案内のもと、レジスタンスのメンバーを紹介されるプライム。*13その中でもブラスター*14は、プライムに奇妙な情報をもたらす。全土に設置されているモニターシステムに、サブリミナルメッセージが流されているのを発見したというのだ。そんなことができるのはショックウェーブ以外にいない。そしてさらに奇妙なのは、そのサブリミナルメッセージはトランスフォーマーたちの暴力衝動を喚起するようになっていた。「つまり?」「戦争を起こすつもりですよ」「戦争? 彼はこの星を支配しているんだぞ。誰と戦争するというんだ?」*15
そのとき、スプリンガー*16に連れられて、スモークスクリーン一行がアジトに到着する。感動の再開を果たすカップとアイアンハイド。*17
二人の再会をよそに、スモークスクリーンがもたらした情報を告げるスプリンガー。「率直に言います。アイアコンの状況は……絶望的です。」市街地には、ダイノボットを駆逐した最大最強のトランスフォーマー――オメガセンチネル*18の不気味な巨体が、他を圧して聳え立っていた……


では明日ー。

*1:=ガーディアン。プロテクトボット合体戦士

*2:ここでトップスピンがマグナスに、カセットロンの背部ビーム砲がバンク跡に落ちていたと手渡している。どうも別の作業(彼らがここで何をしていたのかは後で明らかになる)の途中にメナゾールの脱走に巻き込まれたらしいw

*3:ここでグリムロックは、ショックウェーブの行動パターンを先読みしていた。科白から察すると、以前に2回、同じ場所で邂逅しているようだ。

*4:しかしマグナスはここでダイノボット部隊を全員収容し、パーセプターに引き渡している。治安維持の観点からすれば当然の行為ともいえるが、とどめを刺さなかったのは彼らの力が今後必要になると感じたからだろう。この時点で、マグナスはショックウェーブと袂を分かっていたとも言えるだろう。

*5:このリニアカー、アニメで描かれていたものとは違い、チューブの中を移動するのではなく、現在の新幹線に近いタイプだった。

*6:スモークスクリーン、得意の煙幕をギャンブルに使う男。ここでもスモークと共に登場……って今回は自前じゃなかったですがw

*7:ここでのアイアンハイドの行動は、彼の警備員としてのアイデンティティから来ていると思われる。しかしそれならなぜプライムと一緒に行かなかったんだろうw

*8:ここでのスモークスクリーンの行動は、若干分かりにくい。ブロードサイドとは「時間どおりに」合流したにもかかわらず、プロールだけをホットロッド率いるレジスタンスの本拠――プライムと同じ場所――に案内しようとしている。最初からそのつもりなら、サンドストームに連れて行かせればよかったはずである。推測になるが、もともとはスモークスクリーンもブロードサイドと合流するだけのつもりでいたのだろう。しかし事態が急変したため、自分たちが得た情報と共に脱獄オートボットのリーダー(この時点ではプロール)をプライムのもとに案内し、残りのメンバーは自分達のグループと合流させようとしたのだろう。プロールを伴ったのはプライムに信用してもらうためと考えられる。なお、サンドストームがプライムだけをレジスタンスの本拠に案内したのは、そうしたほうが話が早いと思ったからだろう。ホットロッドのような、血の気が多い若者でもプライムだけは尊敬していたからである。きっとスモークスクリーンのグループとは方針やら何やらでいろいろ対立していたに違いないw

*9:ここではブラーの超高速移動(と、マシンガントーク)が見られる。

*10:ホットロディマス。よけいなことかもしれないが、ロディマスコンボイは英語ではロディマスプライム。スパリンのロディマスコンボイは、単にロディマスとなっている。

*11:=チャー

*12:ホットロッドはプライムの顔すら知らなかった……ということは、プライムが外宇宙へ旅立った後に生まれた、かなり若い個体だということ。たぶん他のオートボットの顔も知らないに違いない。

*13:ここでアーシーが紹介されるが、ホットロッドはアーシーに気があるらしい。

*14:=ブロードキャスト。地球をこよなく愛する男。行ったことはないけどね

*15:「それは5千万ドルのクエスチョンですね。」とブラスターは応えているが、これはおそらくプライムをはじめとするオートボットの暴動を促すためのもの。もともと、ショックウェーブの狙いはプライムを機能停止することではなく、その胸中のマトリクスを奪うことだった。しかし、プライムを機能停止するというだけならともかく、マトリクスを奪うとなれば評議会をはじめとするオートボットが黙っているはずはない。それならオートボットたちに自発的に暴動を起こさせ、プライムをその首謀者として始末する――しかも戦闘の最中に始末してしまえば、マトリクスを奪ったところで誰も文句は言えない。ショックウェーブはそう計算したものと思われる。手回しよくオメガセンチネルを首都に配備していたのも、そこまで見込んでいたからだろう。脱獄については、脱獄すれば大義名分が生まれるし、しなくても牢獄の中で殺せばいいだけなので、どちらでも良かったと思われる。事実、牢獄に見張りが立っていた気配はなかったし、ラナバウトは監獄の中でプライムを殺すために控えていた、あるいは暴動に乗じて脱獄したところを殺すために控えていたとも考えられる。

*16:=スプラング。当然ながら爺さんではない。

*17:アイアンハイドって「若者」だったはずだが、カップには爺さん呼ばわりされている。そりゃホットロッドよりははるかに年長だろうけど、老齢のカップにジジイ呼ばわりされるアイアンハイドって一体……

*18:=ガラブ。と巻末の解説には書いてあるけれど、オメガスプリームじゃないのかな? それともその量産型みたいなもの? 不勉強ですいません。