Chapter5:Countdown to extinction


もはや猶予はない。そう判断したプライムは、ただちに全オートボットに呼びかけアイアコンへの進撃を開始する。*1プライムは負傷しながらも前線で指揮をとり、ついにショックウェーブの宮殿前にまでたどり着く。しかしそこにはオメガセンチネルが立ちふさがっていた。
一方、マグナスはダイノボット部隊の治療をパーセプターに託すと、ショックウェーブを問い詰めるため玉座へ向かう。ショックウェーブは反乱に冷静に対処し、ブリッツウィングに全軍の指揮を任せると共に、サウンドウェーブにはスタースクリームの捜索を命じていた。「あの男を野放しにはしておけん……今はな。」
そのスタースクリームサウンドウェーブの手を借り、モニター室へと侵入していた。リフレクターを手もなく殺し、モニター室を占拠するスタースクリーム。そしてやってきたサウンドウェーブと共に、スタースクリームショックウェーブとマグナスの会話を盗聴する。*2
メナゾールの脱走、そして溶解プールの再開についてショックウェーブを問い詰めるマグナス……。だがショックウェーブはのらりくらりと質問をはぐらかす。やむを得ず話を中断し、プライムと話をつけに出ていこうとするマグナスの背中に、ショックウェーブ銃口を向ける。「これで終わりだマグナス……もはやお前に利用価値はない。」
この様子はスタースクリームによって逐一宮殿外のモニターに映し出されていた。倒れるマグナスを目の当たりにしたプライムは、負傷を押して変形、アイアンハイドの援護射撃のもと、オメガセンチネルをかわして宮殿に突入、スカイワープを脅しつけてショックウェーブの居場所を聞き出す。*3
傷ついたマグナスの元に駆け寄るプライム……。マグナスは自らの過ちを認め、ショックウェーブが向かった隠し部屋への通路を示して力尽きる。「今は休め……後は私がやる。任せておけ。」
各誌部屋への通路をひとり降りていくプライム。突き当たりの扉に、プライムは見慣れない紋章を発見する。オートボットディセプティコン、双方のエンブレムを組み合わせたようなその紋章は、プライムの永きに渡る記憶の中にも存在しないものだった。*4苛立ちながらも扉をこじ開けるプライム。そこにあったのは、サイバートロン星最大の能力をもつ巨大コンピュータ、ベクターシグマだった。驚くプライムに襲い掛かるショックウェーブ。サイバートロン星からエネルギーを受けたショックウェーブは、傷ついたプライムを圧倒する。
次の瞬間、ショックウェーブの宮殿から強烈な光が宇宙へ向けてほとばしる――長らく伝説的な存在とされてきた、史上最大最強のトランスフォーマーユニクロンに向けて。ついにマトリクスを奪い、その力でベクターシグマを起動させたショックウェーブのしわざだった。*5外で戦っているオートボットたちも、思わず戦いの手を休めてそれを見守る。*6そして、モニター室に座るスタースクリームも……*7すべてを見届けたスタースクリームは、撤退の準備を開始する。
ベクターシグマの再起動を受け、ひとり狂喜するショックウェーブ……「かのメガトロンすら力にできなかった力を、今こそわが手に!」しかし、玉座では異変が起こっていた。倒れていたマグナスの目に光が戻り、胸部装甲を自らの手で引き剥がしたのだった……


明日で終わりですー。

*1:ここではホットロッドの視点でプライムについて描かれている。プライムの呼びかけにはほとんどのオートボットが立ち上がったが、評議会や技術部隊、ダイオン警備隊などはすぐに戦闘参加せず、自らの立場でできることを模索していた。

*2:ここで、スタースクリームは拘留バンクに拘留されていたと思われるカセットロンのラットバットをサウンドウェーブに渡している。なんだってラットバットが拘留されていたのかは全く不明。

*3:なお、プライムに従っていたのはホットロッドとアイアンハイド。ハッファーはこの直前にはぐれたらしい。アイアンハイドのチームには、後にスプリンガーが合流している。

*4:このエンブレムについては次回で説明がある。ただ、プライムの記憶にはなくとも、マトリクスの記憶の中になら、同じ物があった可能性は高い。もっとも、そんなことをしていられる状況ではなかったのも事実だが。

*5:このあたり、実は説明的な科白は次回にいたってもほとんどない。そのため純粋に絵から判断するしかないのだが、これがまたわかりにくかったりする。ここで送られたのが単純なエネルギーなのか、それとも何らかのデータなのかも不明。

*6:驚いていたのは、アイアンハイドのチームと、ブルーストリークとギアーズのチーム、それにプロールとカップ、アーシーのチーム。

*7:ちなみに、ここでのスタースクリームの呟きの中に、セイバートロン星という言葉があるが、これは誤植と思われる。