ウォッチメン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

ウォッチメン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]


ようやく見始めました。
まだ途中までしか見れていませんが(ビッグフィギュアが出てきたあたり)、おおむね原作を想像できるシーンばかりで良いなぁと。
ボツになった脚本はそれはひどいものだったらしいですからね・・・


ただちょっと気になったところが2点ほど。
まずロールシャッハ逮捕のくだり。ロールシャッハのマスク(マスクは布じゃなくてビニール的な表現のほうがよかったんだけど、原作でも布って書いてるからなあ)を剥がすシーンが見ていてさらっと流れてしまったんですが、要は街角のシーンがごっそり削られているせいで、「プラカードを持った男」が登場しているシーンがほとんどないからですね。墓場の外でモーロックを見送るシーンなんて、キーパーソンだってばればれの演出になっちゃってましたし。
あと幼女誘拐犯殺害のシーン。原作では縛り上げて家に火をつけて外で見てた(ひでえ)なんですが、映画では菜切り包丁で殺害。あのシーン、個人的な解釈では「悪を滅ぼすために手段を選ばない」ロールシャッハと、「まだどこかで救いを求めている」コバックスの葛藤(ロールシャッハ自身は「そのまえにロールシャッハになっていた」と主張してますが)ゆえに放火という手段を採ったんじゃないかと思ってたんですが。実際、手錠を切るための金鋸まで犯人に提供した上で火をつけてるわけですし。それが映画ではさっくり脳天かち割りというのはどうなのかと・・・
あくまでもここまでの感想なのですが、ロールシャッハの「俺は妥協しない」というせりふも出てきていないことを思うと、映画でのロールシャッハの役割はあくまでも狂言回しなんでしょうね。だから原作であった、ロールシャッハの正体は誰なんだろうという盛り上がりはさっくり消されちゃってる(まあ、映画的には難しい演出なのかなとも思わなくもないですが)し、ロールシャッハはあくまで動いてくれればいいだけなので、ロールシャッハ自身はちょっとエキセントリックな人物として描ければそれで十分だということなのでしょうか。そういえば、キーン条例についてもほとんど説明なかったし。
となると、原作版のラストシーン、「妥協を拒絶しながら現実に負けたロールシャッハ」と、「一見冷徹ながらそれでも救いを求めるオジマンディアス」という対比は活きてきそうになく思えるのですが、さて。


あ、それと。
DVDパッケージ裏のアオリ文句もなんだかなぁと。ウォッチメンってそんな話だったっけ? 


ともあれ、残りは明日見ることにします。
正直、疲れます^^;