「これから起こることは全て偶然だ……
 今後二度と、こんなことが起こると思うんじゃない!」


ということで劇場アニメ版新暗行御史を見てきました。


なるべくネタバレを避ける方向で感想など。
まず「新・春香伝」のほうはほぼ原作に準じた構成で、こちらは30分ほどでまとめられています。見所はなんといっても幽幻兵士の召喚シーン、そして圧倒的な強さを誇る(はずの)幽幻兵士達を片っ端から薙ぎ倒していく春香w 催眠術下にあったとはいえ、ここまで出来るならドルソなんぞに負けるなよと素で突っ込みたくなる強さです。そんな春香の攻撃をことごとく避けてみせる文秀も凄いっちゃあ凄いんですが。
その文秀ですが、実は今回、文秀がまともにガンアクションするシーンって意外と少ないので、序盤の対サリンジャーのシーンの銃捌きはちゃんと見ておきましょう。
「新・春香伝」が終わると中継ぎがありますが、ここでトイレに立たないこと! ここをちゃんと見ておくと「山道かわいー」となりますが、見ておかないと「山道って電波……?」となります。まあ原作でも山道は電波なんですが……ここは原作からのシーンを上手く絡めつつ、春香=山道の自然な表情をたっぷりと見せてくれるので、必見です。山道ってとにかく喋らない、表情変えない(憂い顔がデフォルト)なので、山道が素直に笑ってくれるこの辺のシーンは息抜きにもちょうどいいです。バックでかかる挿入歌がまた良くて、サントラ買ってこうかと思ったんですが金が無いのでパスしました。
曼荼羅華」は「新・春香伝」とはがらりと変わって、かなり内容は変更されています。まあ島に乗り込んでいきなり島民皆殺しじゃ話がもちませんけれど。ただ個人的には若干中弛みが見られるように思います。島民の生活をしっかりと描くことで、呪われた島の真実(原作読者はみんな知っているアレ)と対比させるのかなとも思ったのですが、さほど人々の様子が描かれたわけでもなく。もう少しすっきりまとめられたんじゃないかなと。
最後の見所、山道と摩利の戦いはむしろ対元述戦のイメージか。空中戦が出来る山道がステキです。ただこのシーン、文秀と柳義泰の対峙と重なっちゃってるので、どうしても間延びした感が拭えません……戦闘シーンそのものは迫力あっていいんですが。
ラストはまあ原作どおり。主の居ない椅子が泣けます。


主人公・文秀の声は藤原啓治さん。藤原さんというとどうしてもゾイドアーバインのイメージなんですが、はまり役だと思います。今回の文秀は基本的に胡散臭いオヤジなんですがw
ゾイドつながりといえば夢龍役は岸尾大輔さんで、どうしてもバンやキッカーのイメージが付きまとっていたんですが、こちらも優しい夢龍らしい声で演じておられました。もっとも、弁(領主)に退治するときはいつものキッカー節でしたがw
そのほか、声優さんについては良くこれだけイメージどおりに集めてきたなという感じで何の文句もありませんでした。個人的には房子が出ていたとしたら誰になったかが気になるところですが……w
それと熱砂蝙蝠が可愛かったw 中継ぎの山道を除けば数少ない癒し系です。今回は文秀がボケをかますシーンは全く無い(夢龍との馬牌のやりとりもあくまで文秀としての型を崩していない)のがちょっと寂しかったですね。
それと幽幻兵士! 正直もう少し活躍させて欲しかった。召喚シーンは圧巻ですけれど、そのあとはそんなに活躍してないですし。弁の部下を切り刻むシーンでは怯える弁に場面持ってかれてるし、そのあとは春香に一方的にやられてるし……、そういえば弁に幽幻兵士が斬りかかるシーンはアレか、クローン大戦のジオノーシスでのジャンゴなのか? いいけど。で、「曼荼羅華」では出てきただけであとはゾンビをミンチにしてるだけだし。存在感は大いにあったのに惜しい……


でもまあとにかく原作好きにも楽しめる映画だと思います。変に設定弄ってませんし。
ただし……シネリーブル池袋に見に行く人はくれぐれも注意して下さい。
最 初 の 1 5 分 は 全 部 予 告 編 で す。
何考えてんだ。